今回は令和8年用の相続税申告書の様式改訂の経緯と、それを受けたExcel相続税申告書(令和8年用)改定作業の状況についてご紹介したいと思います。
1 令和8年用の相続税申告書様式の全面改訂
国税庁は、令和8年9月24日にリリース予定のKSK2(新国税システム)の稼働に際し、紙ベースで提出された申告書等の書類について、原則すべての情報をスキャナで読み取り、データ化・イメージ化してKSK2に蓄積する旨公表しています。
このスキャナ読み取りに対応するため、所得税・法人税・消費税・相続税等全税目のほぼすべての申告書等の様式を「AI-OCR」に対応した様式に刷新するとのことです。
そして国税庁は、9月24日のKSK2稼働に先立ち、令和8年中に亡くなられた方の相続に使用する相続税の申告書様式を7月1日に国税庁のホームページで公表しました。
「AI-OCR」に対応した新様式は、以前の相続税の申告書1表や15表のような数字を入れる枠はなくなり、また、すべて白黒印刷となります。さらに以前あった「控用」の様式は廃止され、なくなりました。
ただ、申告書の1表~15表の、基本的な体系は同じであり、また各表の内容もほぼ同じものになっています。
2 令和8年用の申告書様式の全面改訂を受けた、Excel相続税申告書の改定作業
全面改訂された相続税申告書(1表~15表)の、基本的な体系は同じであり、また各表の内容もほぼ同じものでしたが、「AI-OCR」対応様式は、新たに①様式ID、②様式IDを識別するための2次元コード(QRコード)、③各項目の識別コード(アルファベットと数字の組み合わせ)欄が追加になったことにより、全ての表の行や列の配置等が変更になりました。
そのため、まず、全ての表のレイアウトを(一から)エクセルシート(表)に落とし込む作業を行い、出来上がった各表のセルに必要な演算式や参照関数を導入して、Excel相続税申告書(令和8年用)を作成しました。
ところで、今年のExcel相続税申告書の改定作業は、全ての表のレイアウトを作り直す必要があったことから、例年の改定作業とは比べものにならない程の膨大な作業量と時間がかかることが予想されました。様式の正式な公表を待って改定作業を始めたのでは、Excel相続税申告書(令和8年用)の完成時期は、8月か9月頃にずれ込むのではないか、と思われました。
そこで、様式の正式公表前にできる作業を前倒しして行うことにより、完成時期をできるだけ早くしたいと考え、国税庁のe-Taxホームページで公表されていた「AI-OCR化対象帳票(ドラフト版)(申告書様式の案)」を基に、各表のExcelのレイアウト作成を5月中旬から着手し、様式案によるレイアウトは約1か月かかって、6月下旬にはほぼ出来上がっていました。
そのうえで、申告書様式の7月1日の正式公表を受け、様式案と正式版との相違点をすべてチェックして訂正箇所の補正を行い、様式案の段階では公表されていなかった各「コード表」の内容をエクセルに落とし込む作業を行って作成したExcel相続税申告書について、さらにテスト入力や細かい補正を行ったうえで、Excel相続税申告書(令和8年用)が7月12日に完成した次第です。
3 Excel相続税申告書(令和8年用)の(7年用からの)変更点
Excel相続税申告書(令和8年用)の前年版からの変更点につきましては、具体的な内容はExcel相続税申告書(令和8年用)のファイル内の「令和8年用の変更点等」のシートに詳細に記載してあります。
特に、Excel相続税申告書の前年以前版をお使いになったことがある方について、ご理解いただきたい変更点等や注意事項等を記載しておりますので、シート内の記載を一読していただくことをお勧めいたします。
(無料でダウンロードできる「試用版」でも、「令和8年用の変更点等」のシートの内容をご確認いただくことができます。)
試用版のダウンロードはこちら
