33回にわたって連載してきました『相続税申告のポイント』は前回で終了しましたが、補足の説明をここに追加します。
令和2年12月21日に「令和3年度税制改正の大綱」が閣議決定され、申告書等の税務関係書類の押印の見直しについて、国税庁から方針が示されました。
すなわち、一部の書類を除き申告書等の税務関係書類の押印を要しないこととされ、この取り扱いは、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用することとされました。
また、この改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日(令和3年4月1日)前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととされました。つまり、この情報が国税庁から公開された令和2年12月21日以降(一部書類を除き)申告書等に押印をしなくても(実質的に)OKということになったということです。
相続税の申告書でいえば、申告書1表に押印欄がありますが、この押印も実務的には必要なくなったといえます。
なお、相続税の申告書の場合で相続人等が複数いる場合には、通常は一つの申告書で(共同して)提出しますが、相続人間に争いがあるなどの理由により共同して提出しない者がいる場合には、第1表等のうち共同して申告書を提出しない者の氏名及び金額欄を斜線で抹消する等して、その者が共同申告しない相続人等であることを明示する旨が示されました。
この取り扱いの詳細については国税庁HPのリーフレットを参照してください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/pdf/0020012-133.pdf
(参考)引き続き押印を要することとされた書類
① 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
② 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類