今回は、その他の財産や債務の評価方法について説明します。
家庭用財産は、家具などの家財道具等のことですが、ひとつ5万円以下のものは世帯ごとに一括して「家財一式」として例えば10万円とか50万円といったように評価します。
自動車は、買取業者の査定価格、インターネット等による中古車の価格情報や定率法による減価償却残高などによって評価します。
書画骨とうについては、通常専門家の鑑定額により評価します。
電話加入権は、通常国税庁が発表する標準価額で評価します。ちなみに令和元年分の標準価額は全国とも1口1,500円です。
債務については、通常、課税時点での残高が評価額になります。
注意したいのは住宅ローンの場合です。住宅ローンには、ほとんどの場合、団体信用生命保険(団信)の加入がセットとなっています。団信付きのローンは、債務者が亡くなった時点のローン残高と債権者(銀行等)が受け取る保険金とが相殺され、相続人はローンの支払いを免除されます。このような団信加入の借入金は、相続税の計算上の債務にはのせられないことになっています。
銀行などからの借り入れのほかに債務としてあげられるものとして、生前の期間に対する公共料金等(電気代など)で未払いのもの、死亡前の医療費で未払いのもの、準確定申告の所得税の納税額(還付申告の場合には、還付税額は財産に計上します)、未納の固定資産税、市町村民税、都道府県民税(税金は納期未到来のものを含む)などがあげられます。
さて、これまで30回にわたって連載してきました『やさしい財産評価入門』も今回で終了です。
実はこのブログ連載の記事は、私が著者である小冊子『やさしい財産評価入門』(全55ページ)の記事の内容を、手直しやアップデートをして載せたものです。
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