やさしい財産評価入門㉙~生命保険金・死亡退職金の評価 

 今回は、生命保険金・死亡退職金の評価方法等について説明します。 

生命保険金や死亡退職金は、相続人が直接受け取るものであり、本来、相続財産ではありません。しかし、被相続人の死亡を原因として支払われるので「みなし相続財産」といって、相続により取得したとみなされて相続税の課税対象となっているのです。 

被相続人の死亡により受け取る生命保険金のうち、相続税の課税対象となるのは、被相続人が保険料を負担していた場合です。保険料負担者が被相続人でない場合には、所得税または贈与税の課税対象となります。 

生命保険金の評価は難しいことはありません。受け取る保険金の額が評価額になります。その際、死亡保険金とともに受け取る「剰余金・割戻金・払い戻し前納保険料」があれば、それも保険金に加えて計算します。なお、保険金を年金形式で受け取る場合には、別途、評価の計算があります。 

死亡退職金も、受け取る退職金の額が評価額になります。 

生命保険金と、死亡退職金にはそれぞれ非課税額があります。法定相続人の人数 × 500万円までの部分は非課税となっています。法定相続人の人数は、基礎控除額を計算する場合のそれと同じです。(基礎控除額については、相続税の概要の回(5月2日)を参照) 

なお、死亡保険金とともに、生前の入院、手術や診断等に対して「入院給付金・手術給付金・ガン診断給付金」などが支払われることがありますが、これらの給付金は「死亡保険金」ではありませんので、500万円の非課税額の対象外となりますから注意してください。 

次回に続く