今回は、私道の用に供されている土地の評価方法について説明します。
私道の用に供されている土地の評価については、その私道の利用状況により3つのパターンに分けて考えます。
まずは、図のように公道から自宅の敷地へ入るための私道の場合です。
このように、単独の者が専用利用している私道(左図A部分の路地状敷地)については、後で説明するような私道としての評価減をせず、隣接する自宅の敷地とともにひとつの宅地として評価します。(間口狭小や不整形補正等が考えられます。)
つぎはその私道が、不特定多数の者の通行の用に供されている通り抜け私道の場合です。そのような場合は、その私道の価額は評価しません。評価額がゼロということです。
これは、① 公道から公道へ通り抜けできる私道、② 行き止まりの私道であるが、不特定多数の者が出入りする集会所や公園などの公共施設や商店街等に通ずる私道、などが考えられます。
最後は特定(複数)の者の通行の用に供されている私道です。これは上記のように単独の者の専用利用でもなく、不特定多数利用の通り抜け私道でもない場合です。
下の図のような、ミニ開発の分譲宅地の開発道路を、分譲地の所有者が共有で取得しているケースなどが考えられます。
※左図の私道を評価する場合の間口距離は6mです。(この場合の間口距離は角切部分を含めない)
このような私道は、その宅地が私道でないものとして評価した価額の30%相当額で評価します。
前面路線価×奥行価格補正率×間口狭小(奥行長大)補正率×0.3(私道の評価減)×面積=私道の評価額
ご注意いただきたいのは、固定資産税が公衆用道路という理由で非課税となっているケースがありますが、だからといって相続税や贈与税は非課税ということにはならない、ということです。
2番目に説明した「不特定多数の者の通行の用に供されている通り抜け私道」に該当する場合のみ、評価額がゼロとなります(厳密にいうと評価しないのであって非課税ということではありません)が、それ以外の場合は3割評価の有無の違いはあれ、相続税の評価額は算出されます。固定資産税の非課税規定と混同することのないよう注意したいものです。
(次回に続く)
この記事のカット等は一部国税庁のホームページから引用しました。(国税庁ホームページの画面を加工、トリミングしています。)