今回は、前回説明した路線価の計算における奥行価格補正率を求める際の、奥行距離と間口距離について説明します。
奥行価格補正率を適用する場合の奥行距離は、①その宅地の想定整形地の奥行距離と、②平均奥行(その宅地の面積÷間口距離)のどちらか短い方とされています。(想定整形地については後日詳しく説明します。)
ですので、正確な奥行距離を求めるためには、まず間口距離を求めなければなりません。
間口距離とは、評価する土地が、路線価のふられた路線に接する距離のことです。
Ⓐ図の間口距離は20mです
(奥行距離の求め方)
① 想定整形地の奥行距離は35m
② 平均奥行は700㎡÷20m=35m
①=②ですから、奥行距離は35mになります
※ 正方形や、く計(長方形)の土地は、通常①=②になります。
Ⓑ図の間口距離はaです(道路の角切部分を含んだ距離)
Ⓒ図の場合はbではなくa+cが間口距離です
(不整形地の奥行距離の求め方)
① 想定整形地の奥行距離 20m
② 平均奥行 面積300㎡÷間口20m=15m
①>②ですから、この場合の奥行距離は15mになります
平均奥行の計算をせず、単純に①の奥行距離のみで奥行価格補正率を適用すると、①>②のケースでは誤った計算になりますので、注意してください。
(次回に続く)
※ 筆者の作成した「Excel土地評価明細書」には、入力した奥行距離について平均奥行を超えた場合に注意表示する機能があります。
この記事のカット等は一部国税庁のホームページから引用しました。(国税庁ホームページの画面を加工、トリミングしています。)